★★★ 他CADとのData交換(SXF) ★★★


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【 目 次 】

A   SXFとは

B   SXFファイルの形式

C   SXF仕様のレベル

D   SXFファイルの仕様

E   SXFファイルの構成

F   SXFファイルの注意点、他

G   フリ−のCADデ−タ変換ソフトウエア

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【 SXFとは 】

SXFScadec data eXchange Format の略で、国土交通省の主導で、官民で構成するコンソーシアムが開発

した、異なるCADデータの交換に使用する中間ファイル形式で、CAD交換標準仕様全体を指します。


国土交通省が本年度より電子納品をスタートさせたが、図面の電子納品において標準ファイル仕様として採用

するがこの「SXF」である。「SXF」は、ISO国際規格STEP/AP202に準拠した標準フォーマットでもあります。

※ SCADEC(Standard CAD data Exchange format in japanese Construction field)とは、CADデータ交換標準

コンソーシアムの略称です。


【 SXFファイルの形式 】

SXFの交換用物理ファイルは、以下の2種類が存在します。

● STEPファイル( 拡張子 .P21

STEPAP202のルールに準拠したファイル形式で国際的に通用するもの。

   電子納品時の正式ファイル。

   STEP STandard for the Exchange of Product model dataの略です。

● フィーチャコメントファイル( 拡張子 .SFC

STEPファイルのコメントの形で記載されたファイル形式。上記ファイル形式での交換を補うもの。

Scadec Feature Comment fileの略。


SFCは、ISO 10303/AP202には準拠していない、SCADEC独自の中間ファイルフォーマットで、主にCAD間

の流通を目的にしたものです。


SXF V1.0では、拡張子が .sxfであったが、仕様総称のSXFとの混同を避けるため、SXF仕様V2.0より、拡

張子が .sfcとなりました。


【 SXF仕様のレベル 】

レベル 1

 :画面()上で、図面表示が正確に再現できること。

 (寸法図形が文字や線分などで表現されている)

レベル 2

 2次元CAD製図データの要求を十分満たし、再利用時における使い勝手が確保されること。

 (寸法図形が一塊の図形として認識できる)

レベル 3

 STEP/AP202で決めている製図機能を全て満たすこと。

 (計測している図形の変更により、寸法図形を更新できる)


レベル 4


 STEP/AP202の製図機能だけではなく、建設分野特有の情報も付け加え、図面データの高度

利用ができること。

 (建築部材の数量拾いができる)

   JWWはレベル2に対応しています。


【 SXFファイルの仕様 】

・ 用紙  : SXFでは用紙サイズと尺度を固定する。

用紙座標の原点(0,0)は用紙左下とする。

・ レイヤ : レイヤ数の上限は256。

画層名に2バイト文字を使用できる。

・ 既定義およびユーザ定義線種

線種数の上限は、既定義16(うち予備1)、ユーザ定義16で計32

セグメント数(線分または空白の要素数、例えば一点鎖線は4)の上限は、SXFでは8

また点は線分に置き換えられる。

・ 既定義およびユーザ定義色 : 色数の上限は、既定義16、ユーザ定義250で計256

・ 線幅 : 線幅数の上限は、既定義10(うち予備1)、ユーザ定義6で計16

0の線幅を設定出来ない。

・ 文字フォント : 文字形状の指定方法は、フォントによる。

・ 点マーカ : 点の形状は、7種類。

・ 線分 : 線分の長さ、0は不可。

・ 折線 : 折線の要素の長さ、0は不可。

線幅については、個々の要素について設定できない。

・ 複合図形定義 : 複合図形として、部分図、作図グループ、作図部品を持つ。


    他にも色々な仕様があります。上記はその一部のみです。


※ SXF仕様についての詳細は下記JACICのページをご覧ください。

SXFブラウザも下記よりダウンロード出来ます。

http://www.cals.jacic.or.jp/cad/


【 SXFファイルの構成 】

 STEPファイル構成は、「ISO-10303-21; 」から始まって、「END-ISO-10303-21; 」で終了します。

この中にHEADER節とDATA節があり、HEADER節は、「HEADER; 」で始まって「ENDSEC; 」で終了します。DATA節は、「DATA; 」で始まり「ENDSEC; 」で終了し、インスタンスを記述します。

各インスタンスの順序には制約がありません。

また、STEPファイル内には、コメントを記述することができ、コメントは/*から始まり*/で終ります。


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ISO-10303-21;

HEADER;

FILE_DESCRIPTION(('SCADEC level2 AP202_mode'),      ←レベルとモードの形式

'2;1');

FILE_NAME('tenkuurituhyou.p21',                  ←ファイル名

'2003-11-8T22:18:54', ),           ←ファイル変換開始日時

(''), ),                       ←ファイル作成者

(''), ),                       ←ファイル作成者の所属

'SCADEC_API_Ver2.04', ),          ←SXF共通ライブラリのバージョン

'Jw_cad', ),                   ←CADシステム名

'');

FILE_SCHEMA(('ASSOCIATIVE_DRAUGHTING'));

ENDSEC;

DATA;

    ・

    ・

    ・

ENDSEC;

END-ISO-10303-21;

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P21形式の線分

#660=CARTESIAN_POINT(' ',(10000.000000,12000.000000));  ←線分の始点

#670=CARTESIAN_POINT(' ',(10000.000000,19000.000000));    ←線分の終点

#680=DIRECTION(' ',(0.000000,-7000.000000));

#690=VECTOR(' ',#680,1.000000);

#700=LINE(' ',#670,#690);

#710=TRIMMED_CURVE(' ',#700,(#670),(#660),.T.,.CARTESIAN.);

#720=CURVE_STYLE(' ',#200,#490,#40);

#730=PRESENTATION_STYLE_ASSIGNMENT((#720));

#740=(

ANNOTATION_CURVE_OCCURRENCE()

ANNOTATION_OCCURRENCE()

DRAUGHTING_ANNOTATION_OCCURRENCE()

GEOMETRIC_REPRESENTATION_ITEM()

REPRESENTATION_ITEM(' ')

STYLED_ITEM((#730),#710)

);


sfc形式の線分

/*SXF

#470 = line_feature('1','3','1','2','10000.000000','12000.000000','18000.000000','12000.000000')

SXF*/

↑↑↑↑ ↑ ↑ ↑ ↑

 @ABC   D         E       F       G

@:レイヤコード 、A:色コード 、B:線種コード 、C:線幅コード 、D:始点X座標 、E:始点Y座標 、   F:終点X座標 、G:終点Y座標


SXFファイルの注意点、他

 〇 CADソフトがSXFの入出力時にデータ変換しますので、データを意識する必要がないものと、あるものが  存在します。

    SXFファイルの仕様として保存できるもの、CAD独自の仕様で保存できないものがありますので、CADソ

    フトのデータ変換方法を意識して作図する必要があります。

 〇 文字はTrueTypeフォントが使用できますが、開くPCに同じフォントがインストールされてないと同じ

    フォントで表示されません。

    Windowsに標準添付されている“MSゴシック”、“MS 明朝”が無難でしょう。

 〇 文字列も全体の幅・高さ・間隔で保持されますが、プロポーショナルフォントを使用していても表示できな

    いCADソフトもありますので、固定ピッチフォントを使用されるのが無難です。

 〇 SXFでは@、鞄凾フ機種依存文字もサポートされていますが、各CADで対応しているかどうかが問題に

    なります。

 〇 JWW独自機能の埋め込み文字・均等割付等の文字コードは、変換できません。

 〇 寸法図形は解除されます。

 〇 ブロック図形・補助線色・補助線種は保存できません。

 〇 座標は数学座標系になります。(座標の原点(0,0)は用紙左下)

 〇 CAD固有のハッチングデータ等は使用しないようにしましょう。

 〇 JWWファイルをSXFファイルに変換すると、ファイルサイズは大きくなります。

    SFC形式で2〜数倍に、P21形式で10倍前後になります。

ファイル容量を少しでも減らすために、寸法線等で生じる重複線は「デ−タ整理」コマンドで処理しておく。

また、FDから直接開くと、バックアップファイル、自動保存ファイルだ作成されて容量が足らなくなりますの

    で、必ずHDD内に保存してから開くようにしてください。

 〇 レイヤごとの編集可能と非表示レイヤの状態は保存されますが、表示のみレイヤは編集可能レイヤとして

    情報が保存されます。

    また、0グループ0レイヤは0グループ1レイヤとして情報が保持されます。

 〇 背景色は”黒”で固定ですので、背景色と同色の線色が表示されない(見えない)場合は、

    基本設定⇒DXF・SXFタブで「背景色と同じ色を反転する」にチェックを入れて読み込んでください。

 〇 外部参照オブジェクト、 OLEオブジェクト、及び 3次ベジェ以外の曲線、直線寸法・角度寸法・半径寸法・

    直径寸法以外の寸法データはSXFにない仕様ですので、作図時には注意してください。

.    OLEオブジェクトはそのままではSXFで出力できませんので線・文字等に変換する必要があります。

. 〇 BMP等のラスター図面は、レベル2では変換できません。

 〇 SXFファイルの仕様では精度は“倍精度”です。

 〇 レベル2では異尺度が存在する複数図面(部分図等)を尺度1/1の用紙に収めることができます。

 〇 SXFに出力したCADで、そのSXFファイルを開いても、変換前のCAD形式に復元できとは限りません。

 〇 SXF形式では図形の表示順を保存できません。


【 フリ−のSXFデ−タ変換ソフトウエア 】

 〇 JacConvert

    AJ_DXFの作者である中原勝明氏の作成したCADデータ交換支援ソフトウエア JacConvert が公開されています。

    読込可能ファイルは JWC・JWW・JWK・DXF・DWG・SFC、

    保存可能ファイルが JWC・JWW・DXF・DWG・SFC・PDF です。

    変換に関する細部の操作も可能にしていますので、このソフトウエアを利用し、一歩踏み込んだデータ交

    換を行うことが可能です。

    N.Misumi氏の HP 「CADに便利な作品集」( http://www.aa.alpha-net.ne.jp/nmisumi/index.htm )からもDL出来ます。

    導入方法・操作方法の解説もあります。


 〇 HO_CAD

    HO_CADJWC形式ファイルを読み込んでSFC形式で保存することができます。

    (1) DOSJW_CADを使用している方へお勧めのCADソフトです.

    (2) 画面,操作はDOSJW_CADと殆ど同じですので入りやすいです.

    (3) 色づけ機能は使いやすいです. 印刷能力も高いです.

    (4) 又 測量関係者にはお勧めします.

    (5)Ver 2.30からSXF仕様のsfc形式に対応しています.

   

    HO_CAD作者の岡崎氏のHP( http://www.ho-cad.com/ )よりDL出来ます

    N.Misumi氏の HP 「CADに便利な作品集」( http://www.aa.alpha-net.ne.jp/nmisumi/index.htm )からもDL出来ます。

    導入方法・操作方法の解説もあります。